二つの民意
統一地方選挙後半戦が終わった、その中で有る意味注目された2つの選挙、長崎市長選挙・東洋町長選挙を見てみる。
選挙中に銃撃され現職候補が死亡するという異例の選挙戦だった長崎市長選挙、接戦を制したのは追加立候補で立った遺族女婿の横尾氏では無く、市政の私物化反対を訴え対立軸として追加立候補した田上氏であった。
横尾氏側は弔い選挙を展開し情実に訴えたが、「市政の世襲」には反対とする出口調査が圧倒的で会った事実からも、情実だけでは勝てなかった。
実際毎日新聞の報道では無効票が1万5千票ほど有ったとされている、前回選挙での無効票が約4600票程度であった。又期日前投票で約7000票程があったそうだ。
1000票以内の超接戦で敗れた横尾陣営は、この期日前投票で無効となった票を無念とも思うだろうが、有る意味絶妙なる民意が発露されたものと考えられる。
長崎市長選挙の前回結果と今回結果を見てみよう。
有権者数 投票総数 伊藤・横尾得票 無効票
前回選挙 330,516 190,484 114,165 4,601
今回選挙 364,150※ 200,802 77,113 15,436
※ 今回の有権者数は推定値
長崎市は2005年と2006年に周辺町村を編入し、有権者数が約3万人強増えている。旧長崎市区分での横尾氏得票は66,458票で、編入された地区での得票が10,655票と田上氏の6,769票を上回る。
即ち今回接戦となったのは、編入された地区での情実による圧勝が大きく、旧長崎市区分では大きく田上氏にリードを許しているのだ。
無効票に期日前投票での伊藤氏分が約5,000票と推定されるので、約1万票程の「伊藤氏を支援したが横尾氏には投票したくない」と言う民意が有ったと見て良いだろう。
事実旧長崎市区分投票で伊藤氏などへの投票が7463票、白票が4558票、その他が1095票有った。
結果を受けての取材で横尾氏夫人は「本当にありがとうございました。父伊藤一長はこの程度の存在でしたか。父は浮かばれないと思います。残念です。父の愛する長崎でこんな仕打ちを受けるとは思いませんでした」などと発言しているが、問題大ありだろう。
市政の世襲に対する民意発露を全く理解されていないとも思える、まぁ出馬決定直後に後援会が離脱するなどでの落選にショックは判るが、本当に長崎を思って出馬したなら次回も立つべきだろう。
話題になった東洋町長選挙は、原発高レベル廃棄物処分場としての文献調査を申し入れた前町長田嶋氏が、「民意を問う」として辞職した政策選挙であり、そして大差で敗れ去った。
以前の記事で「産経の言う民主主義とは?」とした記事を書いたが、産経新聞は是非この時書いた社説を再検証すべきだろう。間接民主主義も確かに大切だが、住民の未来に関する重大事を拒否権で押し通すには無理が有ろう。
しかしこれで文献調査は撤回される、但し住民減少に歯止めが掛からず財政悪化の東洋町の未来が明るくなったとは言えず、新町長の進む道は険しい。
この選挙結果は又原発路線に大きな影響を与える、文献調査に今後応募する長はまず以て出ないだろうから、選定する方策そのものを見直さざるを得まい。
前にも書いたが、性急なる再処理を推進するのでは無く、中間貯蔵施設の大増設で現状しのぐ先送り方策も再考するべきだろう。
選挙中に銃撃され現職候補が死亡するという異例の選挙戦だった長崎市長選挙、接戦を制したのは追加立候補で立った遺族女婿の横尾氏では無く、市政の私物化反対を訴え対立軸として追加立候補した田上氏であった。
横尾氏側は弔い選挙を展開し情実に訴えたが、「市政の世襲」には反対とする出口調査が圧倒的で会った事実からも、情実だけでは勝てなかった。
実際毎日新聞の報道では無効票が1万5千票ほど有ったとされている、前回選挙での無効票が約4600票程度であった。又期日前投票で約7000票程があったそうだ。
1000票以内の超接戦で敗れた横尾陣営は、この期日前投票で無効となった票を無念とも思うだろうが、有る意味絶妙なる民意が発露されたものと考えられる。
長崎市長選挙の前回結果と今回結果を見てみよう。
有権者数 投票総数 伊藤・横尾得票 無効票
前回選挙 330,516 190,484 114,165 4,601
今回選挙 364,150※ 200,802 77,113 15,436
※ 今回の有権者数は推定値
長崎市は2005年と2006年に周辺町村を編入し、有権者数が約3万人強増えている。旧長崎市区分での横尾氏得票は66,458票で、編入された地区での得票が10,655票と田上氏の6,769票を上回る。
即ち今回接戦となったのは、編入された地区での情実による圧勝が大きく、旧長崎市区分では大きく田上氏にリードを許しているのだ。
無効票に期日前投票での伊藤氏分が約5,000票と推定されるので、約1万票程の「伊藤氏を支援したが横尾氏には投票したくない」と言う民意が有ったと見て良いだろう。
事実旧長崎市区分投票で伊藤氏などへの投票が7463票、白票が4558票、その他が1095票有った。
結果を受けての取材で横尾氏夫人は「本当にありがとうございました。父伊藤一長はこの程度の存在でしたか。父は浮かばれないと思います。残念です。父の愛する長崎でこんな仕打ちを受けるとは思いませんでした」などと発言しているが、問題大ありだろう。
市政の世襲に対する民意発露を全く理解されていないとも思える、まぁ出馬決定直後に後援会が離脱するなどでの落選にショックは判るが、本当に長崎を思って出馬したなら次回も立つべきだろう。
話題になった東洋町長選挙は、原発高レベル廃棄物処分場としての文献調査を申し入れた前町長田嶋氏が、「民意を問う」として辞職した政策選挙であり、そして大差で敗れ去った。
以前の記事で「産経の言う民主主義とは?」とした記事を書いたが、産経新聞は是非この時書いた社説を再検証すべきだろう。間接民主主義も確かに大切だが、住民の未来に関する重大事を拒否権で押し通すには無理が有ろう。
しかしこれで文献調査は撤回される、但し住民減少に歯止めが掛からず財政悪化の東洋町の未来が明るくなったとは言えず、新町長の進む道は険しい。
この選挙結果は又原発路線に大きな影響を与える、文献調査に今後応募する長はまず以て出ないだろうから、選定する方策そのものを見直さざるを得まい。
前にも書いたが、性急なる再処理を推進するのでは無く、中間貯蔵施設の大増設で現状しのぐ先送り方策も再考するべきだろう。
5/1追記
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長崎市の田上富久新市長(50)に対し、市役所に「辞めろ」などと要求する電話が相次いでかかっていることが30日、分かった。前市長の伊藤一長氏(享年61歳)の射殺事件直後に補充立候補し当選した田上市長。就任後は「(特別な)警備は考えていない」と語っていたが、長崎県警は市長の自宅周辺をパトロールするなど身辺警戒を強めている。
伊藤一長前市長の銃撃事件から2週間。ゴールデンウイークを迎え、ショックから癒やされつつあった長崎市が、再び厳戒態勢となった。現職候補が選挙中に銃弾に倒れた上、953票という僅差(きんさ)で決まった波乱の選挙。そのためか投開票翌日の23日から市役所に「田上市長は辞めるべき」「選挙制度はおかしい」など抗議の電話や手紙が相次いだ。
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勘違いされている方がやはり多い模様ですね。
選挙制度の不備で横尾氏が落選した訳では無い、同じ3日間しか選挙期間の無かった田上氏と全く同等では無かったか。
期間をおいて・・・・等々の批判も有るが、では先に立候補していた候補はどうなるのだ?。選挙期間が不意に延びたら不利な面も出よう。
その辺情実だけではなく、実務面も含めて今後検討する余地はあれど、決まっている法律上の事に今更イチャモン付けても仕方無いだろう。
こんな電話する人達は、もう一度投票内容を見直すべきだ。
私が本文で書いたのと同じ結論に達するはず。
万が一にも選挙期間が1週間延期されたとしてたら、具体的な政策の差が際だち、田上氏の圧勝となったろうとさえ思える。
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長崎市の田上富久新市長(50)に対し、市役所に「辞めろ」などと要求する電話が相次いでかかっていることが30日、分かった。前市長の伊藤一長氏(享年61歳)の射殺事件直後に補充立候補し当選した田上市長。就任後は「(特別な)警備は考えていない」と語っていたが、長崎県警は市長の自宅周辺をパトロールするなど身辺警戒を強めている。
伊藤一長前市長の銃撃事件から2週間。ゴールデンウイークを迎え、ショックから癒やされつつあった長崎市が、再び厳戒態勢となった。現職候補が選挙中に銃弾に倒れた上、953票という僅差(きんさ)で決まった波乱の選挙。そのためか投開票翌日の23日から市役所に「田上市長は辞めるべき」「選挙制度はおかしい」など抗議の電話や手紙が相次いだ。
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勘違いされている方がやはり多い模様ですね。
選挙制度の不備で横尾氏が落選した訳では無い、同じ3日間しか選挙期間の無かった田上氏と全く同等では無かったか。
期間をおいて・・・・等々の批判も有るが、では先に立候補していた候補はどうなるのだ?。選挙期間が不意に延びたら不利な面も出よう。
その辺情実だけではなく、実務面も含めて今後検討する余地はあれど、決まっている法律上の事に今更イチャモン付けても仕方無いだろう。
こんな電話する人達は、もう一度投票内容を見直すべきだ。
私が本文で書いたのと同じ結論に達するはず。
万が一にも選挙期間が1週間延期されたとしてたら、具体的な政策の差が際だち、田上氏の圧勝となったろうとさえ思える。
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